発熱のメカニズム

発熱(はつねつ)とは

赤ちゃんの発熱

発熱とは、脳で体温調節をおこなっている視床下部(ししょうかぶ)によって保たれている体温が、なんらかの事情で神経回路(しんけいかいろ)を伝わって体内の抹消器官(まっしょうきかん)まで伝わり、体全体の熱生産が促進されてしまう現象です。

簡単にイメージするなら、脳内の体温調節をしている視床下部というメインコンピューターが、普段は神経回路をつかって体温を保つように体全体に指示していると考えてみてください。

しかし何らかの事情で視床下部が「発熱シグナル」を出します。すると、神経回路を伝わって体全体に指示が伝わって、熱生産が活発化、体外への熱放出が控えられるようになるわけです。

だから、発熱するときは全身症状です。おでこを触っても、脇や首を触っても熱がわかります。視床下部からの発熱シグナルが全身に伝わっているから、どの部位で検温しても高熱が確認されるのです。

視床下部の体温調節

視床下部(ししょうかぶ)は発熱のシグナルを出すばかりではありません。普段は、体温を調節して一定に保つための管理人です。

体温は体内の筋肉や脳、臓器で生産されて血液が循環することで体内に分散されていきます。

もしも熱い時は「熱を放出」するように指示して、体内に熱がこもりっぱなしにならないように命令します。こうして視床下部は、平熱を保つように見守ります。

ところが何らかの理由で、体温を上昇せる必要があると、視床下部は体内に新たな指令を出します。すると各器官は、それに従って筋肉は熱生産を増やして高体温を目指します。

発熱シグナルの理由

視床下部が発熱シグナルを出すのは、気まぐれではありません。発熱シグナルをだす理由は、大きくわけて外部からと内部からの影響が考えられます。

外因性発熱(がいいんせいはつねつ)

外因性発熱は、体の外からの刺激や影響が原因の発熱です。外因性発熱物質は病気の原因となるウイルスや細菌、真菌、微生物、毒素などが挙げられます。

外部から侵入した物質は、体内で活動を始めます。しかし、血液中の白血球が外部からの侵入者を発見します。

白血球は外部からの新入物質に対抗しつつ、特徴や情報を調べて脳と脊髄(せきずい)の中枢神経に報告します。中枢神経は神経の中央司令部といったところです。体内には末梢神経が支部としてはりめぐらされています。

そして、いよいよ侵入物質と認められて視床下部で対抗策として発熱が決定されます。視床下部で決定した発熱指令は、末梢神経に伝達されて体全体で発熱を始めます。

内因性発熱(ないいんせいはつねつ)

内因性発熱はインターフェロン、インターロイキンⅠ、腫瘍懐死因子が挙げられます。どれも聞いたことのないような単語ですが、外因性発熱物質と違って体内で生産されるのが特徴です。

インターフェロンは外部からの侵入ウイルスに対して、ウイルス増殖を阻止するために動物細胞から発生するタンパク質です。発熱原因ではありますが、ウイルスに対抗する存在です。

つまり外因性発熱物質の侵入により、白血球などが抵抗するさいに内因性発熱物質が生成、体が抵抗していることを受けて内因性物質は発熱を促します。

赤ちゃんの発熱が始まるとき

侵入物質の除去に対して、視床下部は体を守るために急に発熱指令をだします。大急ぎで体温を上昇させるため筋肉が緊張します。

筋肉が緊張して震えることで熱生産することを「ふるえ熱」とも呼びます。私たちの体が発熱のはじまりに、震え始めたり寒気を感じるのはそのせいです。

赤ちゃんの場合は、こうした急激な変化に驚き、体力を一気に消耗してしまうので発熱を早めに発見することが大切です。そしてもっと気をつけて調べたいのが発熱と一緒にでる他症状です。

赤ちゃんの場合は発熱と一緒に出ている症状のほうが、つらいケースも多いです。鼻水がつまって呼吸が苦しくなっていたり、嘔吐で水分が減少することも見逃さないように全体的な変化を見てください。

38度の壁

保育園や幼稚園など、子どもが集団生活する場では37度が発熱時の対応を決める、1つの目安になっています。

多くは「37度を超えたら連絡」「37度以上はお迎えに来てもらう」など保護者に引き渡す目安にされています。

しかし基本的には37.5度までは平熱の範囲内と考えます。実際に大人では倦怠感もかんじる37度になっても、赤ちゃんは元気に笑っていることもあります。

38度になると、発熱症状が目立ち始めます。38度になったら元気にしていても、体内では変化があると考えて病院に連れて行ってください。