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チック e-育児

周囲がチックに気が付かず、落ち着きがないと注意しがち。それが更にストレスになって症状を悪化させる恐れがあります。

おむつを履く赤ちゃん

2020/12/20

チックとは、自分の意志とは関係な言動が反復される症状です。手の震えやまばたき、意味のない発声など、癖のように繰り返します。本人の意思とは別に、癖になってしまいがちです。割合では男の子の方が多く、3~4歳から見られます。

チックの症状

チックの症状は人それぞれです。チックは行動によって運動チックと音声分かれます。

これらは本人の意志とは別に出る症状なので、わざとではありません。しかし周囲はチックという症状に気が付かず、落ち着きがないと注意しがちです。それが更にストレスになって症状を悪化させる恐れがあります。症状は3~4歳から始まり小学校でピークを迎えます。成長につれて症状が軽くなっていくケースも多くみられます。

同じ症状が1年以上続いたら慢性のチックと診断されます。1年未満なら一過性の強いチックと診断されます。一過性チックは小学校低学年に多く見られます。

運動チックの症状

音声チックの症状

音声チックの種類

コプロラリア(汚言症)
「ばか」などの、人が耳にして不快と感じる言葉を繰り返す。

エコラリア(反響言語)
誰かが話した言葉を繰り返し真似て発言する。

パリラリア(反復言語)
自分の話した言葉を繰り返し発言する。

他人が聞くと不快に思うかもしれませんが、本人の意志とは別に声が出てしまいます。やめようと考えても、つい出てしまいます。

チックの原因

チックの原因は、はっきりとは解明されていません。その子の置かれた状況や立場、正確によって様々です。

運動の調節を担う、脳の大脳基底核(だいのうきていかく)の神経の伝達物質であるドーパミンが過敏になっている事も指摘されています。ドーパミン異常によって、運動がぎこちなくなるとも言われています。

しかし原因も、きっかけも性格や環境によって人それぞれです。
一般的によく指摘される要因を挙げます。

チックの診断

癖のある行動が全てチックではありません。CTスキャンやMRI、血液検査をすることも。
子供の生活習慣や性格を踏まえて総合的に診断されます。

チックの治療

子供のチックは一過性が多く、あえて放っておくと治ることがあります。チックと診断された事で更に過敏に子供に接して、逆に悪化する事もあります。自分で治そうと考えるあまり、逆に気になってしまうのです。チックは治療よりも、チックと上手に付き合っていけるようにする事が大切です。

周囲が気を付けなくてはならない点を挙げます。

それでもいじめや過度の不安など、日常生活に支障をきたす場合は症状緩和の薬を用います。神経遮断薬や抗不安薬など、状態に適した処置が行われます。

たいていのチックは、成人する頃には全く見られなくなります。若しくは軽度の癖になって残る事がありますが、特に治療は要しません。成長につれて精神面が安定することで自然と症状も緩和されることがあります。

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