e-育児top育児用語辞典 乳歯(にゅうし)

乳歯(にゅうし)

乳歯は、永久歯とは異なるものです。乳歯は永久歯よりも小さく、象牙質やエナメル質も弱い特徴があります。その為、柔らかく衝撃に弱い乳歯は虫歯になりやすい傾向に。

離乳食後期

2020/12/20

乳歯とは、胎児の顎の骨から生成され、永久歯に生え換わる前に生え揃う歯です。幼少期に抜ける為、脱落歯とも呼ばれます。永久歯よりも小さく、もろい特徴があります。

乳歯の数

乳歯は永久歯よりも少なく、全部で20本生え揃います。前歯の中心の2本を起点に左右4本ずつ生えます。それが上下に10本ずつ生え揃います。

永久歯は親知らずを除いて全部で28本ありますしかし赤ちゃんの顎は未発達な為、20本で充分な歯列が完成します。

この時期に20本の歯と顎を良く使い、発達させる事で28本の永久歯が生えるスペースと丈夫な顎ができます。

乳歯は中心の乳中切歯、乳側切歯、乳犬歯(にゅうけんし)、第一小臼歯(だいいちしょうきゅうし)、第二小臼歯の5つに分類されます。第一小臼歯、第二小臼歯は乳歯では奥歯の役割をします。

6歳臼歯と親知らず

永久歯になると第一小臼歯、第二小臼歯よりも奥に第一大臼歯が生えます。これは6歳頃に生えるので、6歳臼歯(ろくさいきゅうし)と呼ばれます。更に奥には、最後の永久歯である第三大臼歯(だいさんだいきゅうし)が生えます。 これは12歳以降をめどに生え始め、親知らずと呼ばれます。

乳歯と永久歯の違い

乳歯は、永久歯とは異なるものです。乳歯は永久歯よりも小さく、象牙質やエナメル質も弱い特徴があります。その為、柔らかく衝撃に弱い乳歯は虫歯になりやすい傾向に。

二生歯生

人間の歯のサイクルは、二生歯生(にせいしせい)と呼ばれています。乳歯と永久歯の2種類の歯があることから、ヒトの歯の特徴の1つとされています。

二生歯生の良い点は、顎の成長に合わせて歯も1度生え変わる為、歯並びが調節できることです。

乳歯の生える時期

乳歯は、胎内にいる頃から生成され始めます。
7周目くらいの胎児の顎の中では歯の元となる芽ができ始めます。出生時には目視出来ませんが、顎の中では歯が育っています。

突然赤ちゃんの歯が生えて驚くかもしれません。注意して見ていると、歯茎の中に塊のようなものが見え始めます。これは、乳歯が生えてくるサインです。

歯茎から人の目で確認できるのは、個人差がありますが生後5~6ヶ月頃から。歯茎がむずむずして、気になるようなら歯固めを与える準備を。

稀に出生時に、乳歯が歯茎から少し顔を出している事もあるそうです。2歳半~3歳になると乳歯は生え揃います。

乳歯が生えてくると、顎をよく使う時期になります。授乳も大変になるので、離乳食への移行のきっかけにしましょう。

乳歯の生える順番

乳歯の生える順番は、子供によって様々です。実に何十パターンの生え方があるとも言われています。

最も多いパターンは前歯の下2本が最初に生え、次に上の前歯2本が生える順。この前歯は乳中切歯(にゅうちゅうせっし)と呼ばれ、この上下4本が起点になります。

個人差はありますが1歳までには上下の前歯4本が生え揃います。早い赤ちゃんは1歳頃には前歯の両脇の乳側切歯も生え始めています。

2歳になると奥歯が生えてきます。3歳頃には乳歯が生え揃います。しかし、歯の生える順番や生え揃う時期は個々で差があります。

乳歯とフッ素

フッ素は、多くの元素のうちの1つです。ミネラルを多く取り込んで再石灰化する作用があります。

乳歯が虫歯になる時、歯のミネラルは減少しています。フッ素を与える事でミネラルを取り戻して、初期虫歯の段階で乳歯を守ります。乳歯が生え始めたら歯医者や健診時に、フッ素を塗る時期を相談すると安心。

乳歯間に隙間があったり、離乳食に積極的な赤ちゃんは、フッ素を塗る事で丈夫な歯を守る手助けができます。ただし、決してフッ素を塗ったからと言って虫歯にならない保証はありません。歯磨きの補助的な役割と認識したいものです。

乳歯の抜ける時期と順番

4歳頃に乳歯の根である歯根(しこん)の吸収が始まります。だんだん乳歯が上方に押し出されて、5~6歳頃から抜け落ちます。

抜ける順番は、最初に生えた個所からです。たいていは最初に生えた下の前歯からぐらぐらし始めます。最終的に乳歯が全て抜け落ちて永久歯に変わるのは11歳前後。

乳歯が抜けると、歯茎の下から永久歯が頭を出してきます。歯茎が痒かったり、むずむずと違和感がしたり、子供は触りたがります。あまり触っていると雑菌が付いて歯茎や永久歯にも影響がでます。隙間があいて食べにくく辛い期間ですが、歯の衛生には注意してあげましょう。

抜けた乳歯の処理

抜けた乳歯は、大切に保管したり土地の風習に従います。乳歯に対する習わしは各国で様々です。

日本では、上の乳歯が抜けたら縁の下へ投げます。「ねずみのはとかわれ」(鼠の歯と代われ)と、本人が投げます。これは縁の下にいる鼠の硬い歯と交換して、丈夫な永久歯を願うそうです。

下の乳歯が抜けたら家の屋根めがけて放り投げます。「おーにのはとかわれ」(鬼の歯と代われ)と、本人が投げます。これは鬼の強い歯のように、丈夫な歯を願うそうです。

日本では、以前は乳歯を保管する習慣はありませんでした。最近は乳歯入れや、乳歯と母子手帳を保管できる物もあります。歯医者さんに処分してもらわず、臍の緒の様に成長の思い出とする傾向にあります。

歯の妖精

アメリカでは乳歯が抜けたら、ToothFairyと呼ばれる歯の妖精に渡します。抜けた歯を枕もとに置いて眠ると、夜中に歯の妖精が来ると伝えられています。

歯の妖精は乳歯と引き換えに、25セント~1ドルを置いて行くそうです。夜中に訪れるサンタクロースと並んで、子供に人気のある言い伝えです。

カナダやイギリス、デンマークでも同じように歯の妖精の言い伝えがあります。土地によって妖精の呼び名が違ったり、コインがプレゼントだったりします。

特に生物では、鼠に歯を渡す習わし(言い伝え)が、世界中で残っています。これも、鼠の強くて丈夫な歯にちなんで、丈夫な永久歯を願う理由が殆んどです。

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