おねしょ

おねしょとは、乳幼児が睡眠中に無意識に排尿してしまうこと。遺伝的な原因も指摘されていますが、成長とともに発症も減っていき、中学校に入る頃には自然と治っていることがほとんどです。

おねしょの症状

おねしょは睡眠中に、尿意の抑制がコントロールできずに排尿してしまう症状です。特にオムツを卒業するトイレとレーニングが始まると、尿意のコントロールに慣れずにおねしょをしてしまう事があります。

たいていは無意識に排尿して、排尿中に気が付くよりも、事後に布団が濡れた違和感によって気が付きます。

おねしょの原因

乳幼児のおねしょの原因は、尿をためる膀胱(ぼうこう)が小さいことが第1に挙げられます。おねしょは膀胱に貯めきれずにあふれ出てしまったものです。これはもう治療のしようがない成長過程の原因なので、特に問題視する事ではありません。

第2に、おしっこの量を調節する抗利尿(こうりにょう)ホルモンの発達が完全でない事が挙げられます。抗利尿ホルモンも成長とともに完成するので、急いで治療する原因ではありません。

乳幼児のおねしょで改善できる原因は、おねしょによって精神的なストレスや後ろめたさを溜めこんでしまう点です。何度もおねしょを繰り返す事で、家族に対する後ろめたさや悔しさ、恥ずかしさがストレスとなってしまいます。

抗利尿ホルモン

抗利尿(こうりにょう)ホルモンは、脳の下垂体後葉で生成されて必要に応じて血液中に分泌される神経ホルモンで、バソプレンとも呼ばれています。

腎臓には血液中の老廃物を尿として排出する働きがあります。この排出のバランスをとるのが抗利尿ホルモンです。体にとって不要な水分は1度体内で濾過されて、尿細管とゆうところで再吸収されます。この再吸収を助けるのが抗利尿ホルモンです。

赤ちゃんは生後6ヶ月頃から、昼夜を考えた睡眠を摂れるようになり、睡眠時間の確保ができるように。同時に抗利尿ホルモンの分泌も盛んになります。

抗利尿ホルモンは昼と夜で比べると、夜の方が多く分泌される特徴があります。ですから本来、夜間は抗利尿ホルモンのお陰で尿量が少なくなると言われています。ところが、何らかの理由で夜間に分泌される抗利尿ホルモンが少ないと、おねしょが起こりやすくなります。

逆に昼間は抗利尿ホルモンの分泌が控えめです。例えば昼間に水を沢山飲んでも、抗利尿ホルモンは微量しか分泌されません。その為、体にとって必要な水分が吸収されずに薄い尿が大量に出来てしまいます。これが夜間に乳幼児の小さな膀胱の容量を超えて、本人の意志とは関係なく自然と排泄されてしまう事も。

おねしょと睡眠の関係

昔から、おねしょをする子は睡眠が浅く、眠りに集中できていないなどと言われる事もありました。しかし最近の研究によると、眠りの深さは大きく関係していないとゆう意見も出ています。

眠りの深さや夢よりも、一定の睡眠時間をきちんと摂って、抗利尿ホルモンの分泌を妨げない事が大切です。その為には毎日の健康的な睡眠時間の確保が重要。

おねしょと知能発達

おねしょをするのは、知能が発達していないからだと指摘する年配の方もいますが、現在は知能とおねしょは無関係だと言われています。

おねしょと知能の発達は、ほぼ繋がっていません。おねしょに深く関連している抗利尿ホルモンは神経内分泌で、 脳の発達とはさほど密接していません。おねしょを多くしているから、知能も遅れているといった事実はありません

しかし例外として、知的障害児が神経内分泌系にも支障を持ち合わせ、抗利尿ホルモンの分泌を妨げている場合もあります。これは子供自身には責任のない原因なので、知能とは関係なく治療する事も出来ます。

おねしょ対策

怒らない

親が気を付けるおねしょ対策は生活面と精神的な補助です。特に、おねしょを繰り返す子供に不安になって叱ってしまう事もあるかもしれませんが、一生悩む問題ではありません。おねしょをした際に真っ先に報告されたら「よく教えてくれたね」と、ゆとりを持って支えてあげましょう。

起こさない

夜中に1度起こして、おねしょをする前にトイレを促す方法も考えられます。しかし、睡眠を途中で遮る事はお勧めしません。膀胱の働きと抗利尿ホルモンの分泌も妨げるうえ、そのあと寝付けなくて寝不足になることも。起こす側の親にとっても毎日の負担になり、余計におねしょが気になってしまいます。

決まった時間にたっぷりと睡眠をとる事は、子供の成長に欠かせない事です。疲れている時や、ぐっすり寝ている時はそっとしてあげましょう。しかし、なかなか寝付けずにお股を押さえている時は、眠さでトイレを我慢している時かもしれません。

焦らない

焦って早くおねしょをなくそうとすると、敏感な子供は親を悲しませないようにと懸命になります。それが却って、おねしょに対する嫌悪感になって、おねしょと向き合えなくなる場合も。おねしょをしても報告するのが怖くてシーツを隠したり、悪い事をしていると考えてしまいます。

ゆったりと対応して、子供の心理的な損傷や、友達と比較して自分が劣っていると悩む支えになってあげましょう。おねしょを早く改善するにも、焦らない事は大切です。

比べない

子供は友達と比べられる事で、親や周囲が気が付かないうちに深く傷つくことがあります。例えば仲良しの友達と比べられる事によって、友達と素直に付き合えなくなる事も。子供の成長はそれぞれで、どの成長が正しいかは決まっていません。おねしょで遠回りをした、周囲に遅れをとったと親が考えないように気を付けましょう。

食事でおねしょ対策

・食事はよく噛んで、飲料で流し込まない努力を。最近の食生活の問題点でもある「十分噛まずに食事をする」ことで、口内の食事を流し込む為に大量の水分を摂取する傾向が指摘されています。厳しいチェックは不要ですが、流し込む食生活は水分過多に繋がります。

・牛乳摂取は夕方までに。牛乳と聞くと無条件で子供に飲ませたくなりますが、タンパク質とカルシウムが過剰摂取されると尿量が増える傾向が。飲ませる時は朝~夕方までに飲ませて、夜の大量摂取は控えましょう。

・塩分は控えめに。塩分の過剰摂取は喉が渇く為、水分を欲しがります。なるべく濃い味付けを食卓に沢山並べないように、バランス良いメニューを考えます。

トイレ習慣でおねしょ対策

・寝る前は必ずトイレに行く習慣を。例え尿意がなくても、続けていくと睡眠前に排尿を済ます癖に繋がります。排尿が不十分なまま眠ると、眠りが浅く夜中に起きてしまう事も。夜中に寝付けないと抗利尿ホルモンの分泌が減ってしまいます。

・昼間はトイレを促さないで、自発的に行かせるように。普段から時間ごとにトイレを促すと、言われないと尿意を気にしなくなってしまいます。自分がどんな時にトイレに行きたくなるか、飲み物を飲み過ぎるとトイレに行きたくなるといった事を学び、良い意味で尿意をコントロールできるようになる事は大切。

・おねしょパンツや、おねしょ対策オムツはトイレに行く習慣を心がけた上で使用すること。おねしょをしても布団や衣類が汚れないように、おねしょパンツをはかせる事もあるでしょう。子供が嫌がらなければ活用するのも1つの手段ですが、トイレに行く習慣作りも並行しましょう。また、親の手間を省きたいあまりにオムツに頼って、子供が自尊心を傷付けないよう注意が必要。

冷えとおねしょ対策

夏は冷房による寝室の冷やし過ぎ、秋冬は睡眠中の寒さからおねしょをする子供も。適当な体温調節と、冷やし過ぎない環境作りで改善されます。お風呂は湯船に浸かって体をよく温めましょう。冬場は寒いからと布団を掛け過ぎると、子供は布団を掛けたがらなくなり、寝冷えに繋がります。

おねしょの治療

どうしても家庭で悩んでしまう時は、小児科や専門医に相談してみましょう。おねしょの治療に薬剤を使う際は、生活上のおねしょ対策を心がける前提で、薬だけに頼らないよう注意。

多尿には点鼻薬が代表的ですが、薬に頼って多量な水分摂取をしてしまうと浮腫に悩まされます。膀胱に対しては内服薬があります。これはお年寄りの尿失禁を軽減する為に開発されましたが子供にも有効です。

しかし乳幼児は体も発達途中なので自然におねしょも落ち着くことがほとんどです。あまり薬だけに頼らず、医師の指導に沿った生活習慣の見直しもしてみましょう。

夜尿症だった歴史上の人物

どんなに歴史上に名を残した人物でも、幼少期はおねしょに悩んだこともあります。大切なのは、おねしょをしたことで周囲が責めて、子供の自尊心を傷付けない事です。

坂本竜馬・・・坂本竜馬の夜尿症は有名な話で、高知便で寝小便垂れという意味の「よばあたれ」というあだ名が付けられた程。一説では15歳頃までおねしょをしたそうです。

アルベルト・アインシュタイン・・・1921年にノーベル物理学賞を受賞したアインシュタイン博士も12歳頃まで、おねしょをした事があったそうです。

おねしょと夜尿症

おねしょと夜尿症は少し違います。おねしょは乳幼児から始まり自然と治まっていく傾向にありますが、夜尿症は治療を要します。夜尿症は大人になっても、ふとしたきっかけで再発する事もあります。



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