母乳とタバコ

タバコの成分

タバコには銘柄によって違いがありますが、ナス科タバコ属の1年草です。亜熱帯性の植物で、一見ただの葉っぱに小さな花が咲いている外見ではタバコと結び付かないかもしれません。しかしタバコは煙を吸っただけでも体に悪影響を及ぼす成分が入っています。中でも最も有害と言われている3つを挙げます。

ニコチン

・主にタバコの葉に含まれている。
・喫煙で煙として体内に侵入する。
・化学物質としては、毒物及び劇物取締法で毒物指定されている。

・血管を収縮させて、血流を悪くする。
・体内の血流が悪くなって酸素が運ばれなくなる。
・神経回路に働きかけて心地よさを感じさせるため、喫煙を癖にしてしまう。

・ニコチンは赤ちゃんの発育を妨げる恐れがある。
・母親の吸ったタバコのニコチンは、母乳に移行する。
・ニコチンが母乳を分泌するオキシトキンの働きをさえぎる。
・ニコチンの含まれた母乳で、赤ちゃんが急性ニコチン中毒になる危険がある。

タバコニコチンはタバコの成分として有名ですが、タバコの灰にも含まれるため、タバコや吸い殻の誤飲が危険です。特に乳幼児では、ニコチンを出そうと水を飲ませると逆に悪化するので注意してください。

タバコに依存してしまうのはニコチンの依存性が影響しています。タバコを吸っては、ニコチンが肺や心臓を通過して脳の神経回路に刺激を与えます。これが依存の始まりです。

そして、タバコのニコチンを含んだ母乳を飲んだ赤ちゃんに心配されるのは、急性ニコチン中毒です。赤ちゃんはただでさえ消化器官が未発達なので、嘔吐や下痢を繰り返して不機嫌になります。意識障害をおこすと後遺症も心配されます。

せっかくバランスの良い食生活で栄養を摂っても、ニコチンがビタミンCを破壊したり母乳の味を下げてしまうのは赤ちゃんにとって残念なことです。

タール

・癌(がん)の原因になる化学物質が含まれている。
・タールは肺や胃の健康に影響する物質を含んでいる。
・歯がタールの影響で黄ばんだり、歯茎の色が変わることもある。

タールとは、タバコの煙の中の一酸化炭素やガス成分以外の微粒子成分です。「ヤニ」とも呼ばれる類です。脳の神経に影響を及ぼすニコチンと違って、タールは肺や胃に影響を及ぼします。よくレントゲンで喫煙者の肺を見ると、タールの影響を指摘されることがある程です。

もしも赤ちゃんが、タバコの煙を吸ってしまったら、喫煙者と同じくタールを体内に侵入させることになります。もちろん母乳育児中に限らず、妊娠中も胎盤を通してタールが赤ちゃんに影響します。

一酸化炭素

・一酸化炭素によって、血中の酸素が足りなくなる。
・母乳を作る血液の成分が悪くなりやすい。

一酸化炭素中毒による死亡事故もある程、一酸化炭素の増加は酸素不足から大きな障害を引き起こす心配があります。一酸化炭素中毒は市に至るだけではありません。たとえ命に別状はなくても貧血と同じ状態に陥ります。

母親の体に一酸化炭素が多くなると、母乳を作る血液の酸素が不足してしまい、結果的に母乳の生成は減ってしまう可能性があります。更に、血中の酸素が不足すると美味しい母乳ができないうえに、母乳を乳首まで運ぶ働きも弱くなりがちです。

タバコは母乳にとって毒物

・低体重、発達の遅れの心配。
・煙による受動喫煙で肺や胃に発がん性物質が侵入してしまう。
・両親が喫煙者だとSIDS(乳幼児突然死症候群)の確率が上がる。
・母乳を介してニコチンが赤ちゃんの脳に刺激を与え、意識障害や後遺症を残すおそれ。

大人の喫煙でも健康に注意するように呼びかけられ、喫煙と禁煙スペースの隔離があるのですから赤ちゃんにタバコが良いわけはありません。

美味しい母乳をつくるために

母乳は赤ちゃんにとって最高の栄養です。せっかく母乳育児のできる状態になるならば、より美味しい母乳を作る為にも母親や周囲の禁煙を考えてみてください。

赤ちゃんがニコチンの含まれた母乳を飲むということは、私たちが食事をする際にニコチンが入った飲み物や食べ物を食べるのと似たようなことなのです。

もしも授乳中に喫煙したら

1日は授乳を控えて、喫煙前に搾乳しておいた母乳か粉ミルクで代用します。その間、必ず母乳をしっかり搾乳しておきましょう。1度吸ってしまったら、永遠に母乳育児ができないわけではありません。ただ喫煙後1日以内に搾乳した母乳は保存せずに捨てましょう。