母乳に含まれる栄養素

産後は、やっと体重管理や糖を考えた妊婦中の食生活から抜け出す時です。ですが母乳育児中も好きなものは食べることができる半面、摂取した栄養は母乳に影響します。母乳育児を始めるにあたって、ママが摂取する栄養はこれから母乳として、赤ちゃんに栄養補給されるものだということを忘れないでください。

もしも、子どもを育てるなかで食育を考えているなら、母乳を飲ませている時から食育は始まっているのです。ママの選んだ食材が母乳となって赤ちゃんへ伝わり、栄養や情緒を育てます。赤ちゃんの体に行き渡る栄養素をしっかり考えてあげましょう。

母乳に含まれる栄養素

母乳は赤ちゃんにとって最高の栄養源です。毎日、十分な栄養を赤ちゃんに与える為には、母親が好き嫌いなくバランスの良い食生活を続けることが大切です。

母乳は赤ちゃんの好き嫌いに関係なく、成長にベストな栄養素が含まれています。つまり、母乳を毎日飲んでいる赤ちゃんは、それだけで栄養バランスのとれた食生活を送ることができるのです。母乳に含まれる栄養素は沢山ありますが、代表的な栄養素は以下の通りです。

カルシウム

授乳をしている時、赤ちゃんの飲む量にもよりますが、母乳中には毎日約200~250g程度のカルシウムが含まれます。そして産後の母体の回復にもカルシウムは必要不可欠な栄養源です。

カルシウムは牛乳を飲めば摂取できるという考えが一般的にもありますが、授乳中の場合は牛乳摂取量も考えましょう。牛乳やヨーグルトなどの乳製品の摂り過ぎは、子どもの卵や乳製品アレルギーの原因にもなります。カルシウムは小魚や食品からも摂る工夫をしてみましょう。

タンパク質

母乳に含まれるたんぱく質は熱や酵素で固まるカゼイン、透明な液体のホエイに分けられます。市販のヨーグルトに半透明~乳白色の液体が上部に出ていることがあります。この、うわずみは栄養があるから捨てない方が良いという注意書きがありますが、これもホエイと呼ばれる成分です。

ビタミン

母乳中には脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンが含まれています。脂溶性ビタミンは母体に蓄積されているので、足りなくなることは滅多にありません。しかし、育児の忙しさのあまり、適当な食生活を続けると新生児のビタミン欠乏症に繋がります。

水溶性ビタミンはビタミンCやビタミンB1が挙げられます。母乳中のビタミンは極度の食事制限や、食生活の乱れのない限りは比較的安定している栄養素です。ただ、産前産後は母親の肌荒れも目立つので、母体の為にも摂取しておきたい栄養素です。

ビタミンで注意しておきたいのはビタミンKです。ビタミンKは体内で生成されないので、食事から摂取してあげます。新生児の場合はシロップを投与されますが、その後は母乳育児中は母親の食事で、離乳食が進んだら離乳食にビタミンKの含まれるメニューを取り入れましょう。

ミネラル

母乳に含まれるミネラルには、カルシウムをはじめ、りん、マグネシウム(鉄分)があります。ミネラルに関しては人工乳よりも母乳の方が吸収されやすいという説もあります。カルシウムは先述の通りですが、鉄分は母親が貧血気味でも赤ちゃんにはきちんと吸収されますから、貧血気味という点が赤ちゃんに移行することはありません。

ミネラルといえば、ミネラルウォーターがありますが、新生児にはミネラルウォーターは消化できません。ミルクを作る場合もミネラルウォーターは使いません。

脂肪

脂肪と言うと、大人にはあまり摂取したくない成分に聞こえますが、母乳中の脂肪は赤ちゃんの発育に必要不可欠な成分です。母乳中の脂肪量は熱量の約45~55%もあります。

脂肪の約98%は球状の脂肪球(しぼうきゅう)で、球の核はトリグリセライドという中性脂肪です。トリグリセライドが吸収されると脂肪酸ができます。脂肪酸こそが赤ちゃんのエネルギー源の重要な成分なのです。それだけではありません。脂肪酸は新生児の網膜と神経組織の発達、細胞膜やホルモン合成にも重要です。

また、脂肪中のコレステロールは初乳に多く含まれますが、生後1ヶ月までに減少します。ですから、母乳によるコレステロールの摂り過ぎは心配いりません。

炭水化物

私たちの食生活では炭水化物と言えば、お米やパン、麺類が有名です。母乳に含まれる炭水化物の多くは乳糖(にゅうとう)と呼ばれるものです。乳糖は母乳に含まれる成分の中では、水分に次いで多い成分です。

乳糖はカルシウムの吸収を助ける役割があります。他にもオリゴ糖が含まれ、母乳の成分としては一定の安定した成分です。「糖」と言っても、乳糖は糖分とは別の栄養素です。母親が糖分を摂取しても、母乳の出が悪くなるだけで乳糖には関係ありません。