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母乳神話の嘘ホント

「母乳神話」とは?母乳に対して極端な考えをすすめたり指導する人は?

寝転んで飲む赤ちゃん

2020/12/20

産後に悩む母乳神話

育児

母乳で育てることを前提に考えていたのに、産後は思うように母乳育児が進まず悲しい気持ちになったり、順調に母乳育児をすすめる周囲に劣等感や焦りを感じてしまうのものです。妊娠中に考えていた母乳育児の理想と、産後の現実とのギャップに多くのママが悩んでいます。

「母乳神話」という言葉があります。「母乳神話」という言葉を全く口にしなくても、母乳信仰が強くて「母乳がよくて粉ミルクはいけない」という極端な考えをすすめる人や指導もゼロではなく、そんな考え方に傷ついているママもゼロではないのが現実です。

ママにしかわからない苦しみ

母乳だけで育てたくても、育てられない現実にショックを受けて悩むママは沢山います。

たまたま体調が悪く出ない日が続いたり、病気など思わぬハプニングで授乳が困難になったり、ストレスや疲労で急に母乳が止まることもあります。

そんな簡単に母乳が出ているなら、母乳外来など授乳で悩むママもいません。理由も知らずに、軽々しく「母乳をあげないなんて良くない」と言われると悲しくなるものです。

心ない発言にママはストレスを抱えたり、母乳の少なさを気にして更に母乳が出なくなることもあります。これは、母乳神話に対してママが受け身になっているからです。

もしも自分の授乳スタイルが赤ちゃんや自分の体を考えた最善の方法ならば、周囲の心ない言葉は聞き流してしまいましょう。

母乳と粉ミルクの壁

哺乳瓶

母乳と粉ミルク、どちらも生まれてすぐに必要な赤ちゃんのための栄養が含まれています。でも、なぜだか母乳のほうがレベルが高くて、粉ミルクはそれに満たないレベルだというイメージが根強くあります。

確かに母乳は良質の栄養ですが、現在の日本の粉ミルクはかなり母乳成分に近づいて栄養価もしっかり含まれています。それでも母乳を信仰する考えが強い限り、粉ミルクは下にみられてしまうのが現実です。

どちらも赤ちゃんを育てていくうえで大切な存在なのに、優劣をつけてしまう必要があるのかも再考したいです。母乳にも粉ミルクにも良いところは沢山あるのです。

母乳と粉ミルクの間に壁を作らないことで、授乳へのストレスが軽減されます。授乳育児をしている間は、母乳と粉ミルクを比べずに、それぞれのメリットや使いわけについて考えたいです。どちらかを卑下して、自分の授乳方法を納得させる考えかたも避けたいです。

授乳コミュニケーションで大切なこと

授乳はママと赤ちゃんの大切なコミュニケーションの時間です。この時間は、ママと赤ちゃんが密接するうえ、赤ちゃんはママの顔を見上げるような体勢になるので目と目が合いやすいメリットがあります。

新生児はまだ視力も未発達なので、授乳時の赤ちゃんとママの顔の距離くらいが相手を判別しやすいと言われています。抱っこしている相手の声や雰囲気、輪郭をぼんやりと認識し始めます。

つまり、母乳でも粉ミルクでも抱っこして授乳している時間は、コミュニケーションがとれています。

授乳のほうが肌が密接するから、温かさを伝えることができるという意見もあります。それならば哺乳瓶での授乳では空いている手で赤ちゃんの指を握ってあげたり、話しかけてみましょう。コミュニケーションのとりかたは人それぞれだと考えてください。

赤ちゃんが安心して授乳できているのなら、母乳でも粉ミルクでもコミュニケーションは取れているのです。

ママの愛情は伝わっている

ママと赤ちゃん

離乳食を始める産後6ヶ月頃までは、月齢ごとに「1回の授乳量」の目安があります。全てを母乳で満たせる赤ちゃんもいれば、赤ちゃんやママの都合で粉ミルクを加える家庭や、粉ミルクで統一して授乳している家庭もあります。

ときには、母乳で全て満たせることが素晴らしいことだと言われます。そして、なぜか粉ミルクを足したり、粉ミルクだけで授乳することをマイナスイメージで見られることがあります。

あまりに偏っている場合は、母乳を与えていない育児を「母親の怠慢」「赤ちゃんがかわいそう」「授乳を理解していない」と見るケースもあります。これはママ達にとってストレス以外の何ものでもありません。

たっぷり母乳を与えることができるのは幸せなことですが、そうでない場合が不幸せだとは言い切れません。マッサージをしたり健康的な食事を心がけても、母乳が足りなくなるケースが沢山あるのです。だから、与えることのできる母乳量は人それぞれです。

それよりも、授乳時にどれだけ愛情をもって対応するのかが大切です。母乳量や回数などは目安にすぎません。

授乳をしているとき、赤ちゃんやママが幸せを感じるのなら、それが母乳でも粉ミルクでも愛情はしっかり伝わっているはずです。

粉ミルク併用を責めないで

母乳だけでは授乳量がまかないきれないときや、事情があって粉ミルクだけで授乳する家庭も多いのですが、なかには粉ミルクを併用することに後ろめたさを感じるママもいるようです。

「私の母乳が足りないから」と自分の体調や生活を責めることもあるかもしれませんが、粉ミルクを使用したから悪いという気持ちは持たないようにしましょう。

ママの体を責めるほど、ストレスが溜まって母乳の出がさらに悪くなり、ストレスも溜まりやすくなってしまいます。

赤ちゃんは難しい言葉はわからないのに、パパやママが怒ると泣きます。これは声色や表情、雰囲気を敏感に感じとるからです。

粉ミルクの使用量が多いことを後ろめたく思って、イライラしたりションボリしながら育児をすると、赤ちゃんにも悲しい気持ちや焦る気持ちが伝わってしまいます。

粉ミルクをつかっても、ママが赤ちゃんに愛情をもっていることには変わりありません。不要な後ろめたさで、赤ちゃんを心配させないようにしましょう。

授乳期間は短い

ママは、自分の体と赤ちゃんの成長を考えて決めた授乳スタイルに自信を持ちましょう。ママの微妙な体調変化や、赤ちゃんの好きな授乳スタイルはママにしかわからないことです。

周囲の言葉に焦って、自分の授乳スタイルに自信をなくしたり言いわけをするのは、もったいないことです。ママが赤ちゃんに授乳してあげることのできる期間は、一生のうちのとても短い期間です。

授乳量や母乳の出に悩んでいたと思ったら、今度は離乳食のすすめかた、やがては卒乳に悩むようになります。母乳神話で授乳スタイルに悩むよりは、限られた授乳期間を母子ともども楽しんでほしいと願います。

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