育児ママの腱鞘炎

育児中の腱鞘炎の原因と主症状、痛みの緩和方法をわかりやすく説明します。腱鞘炎といえばタイピングや筆記具を使い続けたり、楽器の演奏やスポーツでなる炎症のイメージですが、育児ママも赤ちゃんを同じ姿勢で抱っこし続けて、知らぬ間に慢性の腱鞘炎になっていることがあります。

腱鞘炎とは

抱っこ腱鞘炎(けんしょうえん)について説明します。私たちの手足が動くときに使う腱(けん)はコラーゲンが主体の細い筋のようなものです。その周りにあるトンネル状になった筒のような部分を腱鞘(けんしょう)と言いますが、その腱鞘が何らかのダメージで腫れ上がると、腱とこすりあって炎症を起こします。この症状を腱鞘炎と呼びます。

腱鞘があるから、私たちの腕や足の関節はスムースに曲がります。腱鞘にはもともと潤滑油のようなものがあるから、スムーズな動きができるのです。

腱鞘炎の症状である腫れの原因は様々ですが、主に手や指など同じ部分を使いすぎることで負担がかかり、炎症を起こしていると考えられます。

育児では赤ちゃんを同じ腕で、同じポーズで抱っこすることで腱鞘に負担がかかります。特に関節部分を使いすぎるママが、腱鞘炎になりやすいようです。

ちょっと聴きなれない単語になってしまいましたが、要は腕が疲れたり手のひらや指に負担をかけ続けると、腱鞘炎になる可能性が高いというわけです。

抱っこで腕の腱鞘炎

赤ちゃんを抱っこするとき、家では決まったソファーや椅子に座って抱っこすることが多いので、赤ちゃんを抱く角度が決まっているママも多いようです。その角度が、育児をするときに楽ならば良いのですが、腕の同じ部分に負担がかかっています。

赤ちゃんの体重が増えてくると、少しずつ腕に負担が増えます。ママは毎日抱っこすることに慣れているので、ついつい腕への負担を我慢してしまいます。

やがて腕の負担がかかっている部分の腱鞘(けんしょう)は、疲労から炎症を起こします。すると腫れ上がって潤滑液が腱(けん)に作用しなくなり、お互いがこすれあいます。

赤ちゃんを抱っこするたびに、関節を動かすと腱と腱鞘がこすれあうので痛くなります。抱っこをするたびに痛むので、疲れや筋肉痛と勘違いしがちです。我慢して無理をすると、なかなか痛みがひかなくなります。

育児中は赤ちゃんを抱っこするのは、毎日当たり前のことです。抱っこに痛みが加わると、1日を通して痛みやストレスが続くので困ります。特に日中は赤ちゃんとママの2人きりで過ごす家庭も多いので、腕が痛いからといって抱っこしなくてもよい環境ではないのが現実です。

育児中の初期症状

育児中のママの体に、こんな症状があらわれ始めたら腱鞘炎の初期症状の可能性があります。無理をしないように心がけてください。

抱き上げるときに鈍痛

赤ちゃんを抱き上げるときに、わずかに腕に鈍痛があります。どの部分が強く痛んでいるのかもわからないような鈍い痛みです。

赤ちゃんを抱いたら、いつの間にかおさまりますが、赤ちゃんを抱き上げるとに関節を動かすことがきっかけに痛んでいる腱鞘炎の初期症状です。

普段は痛みがない

腱鞘炎の初期症状は、痛みがあまり目立たないところから始まります。すぐにズキズキ痛むというよりは、原因となる動きをしたときだけ痛みが生じます。

だからといって痛みを無視していると、だんだん痛みが強くなって押すだけでも炎症部分が痛くなるので気を付けてください。小さな痛みなら、我慢してしまうママも多いので心配です。

腕がだるい

赤ちゃんの抱っこをして腕が疲れると、抱っこしていなくてもだるい症状が出始めます。ママの腕の腱鞘炎は、同じ部分にたまる疲労が原因です。特にだるさを感じる部分があれば、それ以上負担を増やさないようにしてほしいです。疲れを感じる部分が、腱鞘炎になりやすい場所です。

腕がだるいと感じたら、抱っこのときに赤ちゃんを支えている腕を交換したり、クッションを挟んで重さが一点に集まらないように

筋肉が凝っている

赤ちゃんを抱っこすると、腕の筋肉が凝って筋肉痛になったり、重たい感じがします。これは腕に負荷をかけているサインです。でも毎日赤ちゃんを抱っこするので負荷を軽くするのは無理なことです。

腕の筋肉が疲れていると感じたら、入浴で筋肉をほぐしたり買い物くらいは重たい荷物を避けるなど、育児以外で腕への負担を減らすことが効果的です。

腕がしびれる

赤ちゃんを抱っこしているときや、抱っこのあとで腕がジワジワとしびれるのは腕の筋肉が重さを強く感じているからです。腱鞘炎の初期症状では、ジワジワとしびれてもすぐにおさまります。でも、腱鞘炎の症状が悪化するほどしびれが続いて、赤ちゃんを抱っこしていないときもわずかにしびれを感じるようになります。

腱鞘炎の治療対策

整形外科に相談

育児中の腱鞘炎は整形外科に相談してください。具体的に腫れが目立つ部分と、負担がかかっている部分が判明します。湿布の処方が多いのですが、あまりに痛みがひどいときは患部に注射をすることもあります。注射治療になる前に、はやめの通院をおすすめします。

スリングや抱っこひも

腱鞘炎になったら抱っこ方法を変えてみましょう。スリングや抱っこひもで家事をすると、意外と腕への負担が減ります。お出かけのときだけではなく、室内でも活用してください。

周囲にSOS

「抱っこで腕が疲れたくらいで助けを求めるなんて・・」と思うかもしれませんが、本当に腱鞘炎が悪化するとフライパンを持つこともつらくなったり、それこそ赤ちゃんを抱っこできなくなるケースも考えられます。何事も初期症状での早期治療が、育児をスムースに続けるコツです。