産後の痔に悩んでいませんか?

産後の痔に悩んでいませんか?出産時や妊娠中から悩みやすいおしりトラブルのなかでも、なかなか相談しにくく治療を始めることが恥ずかしい痔(じ)について、やさしく説明します。

痔とは

痔とは、肛門周辺の病気の総称です。そのなかでも三大疾患と呼ばれて多くの人が悩んでいるのが、いぼ痔(いぼじ)・切れ痔(きれじ)・あな痔(あなじ)です。

この3つの症状は、痔に悩む人の80%以上が経験しているとも考えられるほどですが、患部の場所から恥ずかしさがあって適切な治療を避けたり、自己治療で我慢する人が多いのも特徴です。

妊娠中の便秘から切れ痔(きれじ)

切れ痔(きれじ)とは、別名を裂肛(れっこう)と呼びます。

妊娠中は水分補給や食物繊維が不足して、便が硬くなりがちです。さらに、激しい動きが制限されて、重い荷物を持つことや走ることも控えるので運動不足に陥りやすくなります。こうした原因が重なって、便秘に悩む妊婦が増えます。

切れ痔は、硬くなって排出しにくくなった便を無理矢理排泄させることで、肛門が切れてしまうことです。

肛門の表面の皮膚には神経があるので、切れ痔になると排便時に激しい痛みを感じます。傷みがつらいので、排便を我慢すれば、さらに便秘が悪化してしまう悪循環に悩まされます。

産後も食生活や生活リズムが乱れやすい日々が続きます。お産時の切開部分が治っても、再び切れ痔に悩むことが心配です。

子宮の圧迫からいぼ痔(いぼじ)

いぼ痔とは、別名を痔核(じかく)と呼びます。女性には関わりのない症状と思われがちですが、意外にも産後のいぼ痔で悩むケースがあります。

妊娠中は子宮が大きくなると、周辺の器官が圧迫されていました。特に妊娠後期から出産までは、子宮が最大になって赤ちゃんも下に降りてくるので、肛門周辺が圧迫されてうっ血します。

血流の悪くなった肛門周辺は静脈がうっ血して、腫れあがります。これが、いぼ痔のいぼです。

いぼは肛門の内側と外側、どこにできるかで痛みの度合いが変わります。外側にできたいぼは、排便時に痛みを感じるので自覚しやすい特徴があります。

肛門の内側にできるいぼは、目視で着ないうえに神経が通らない場所なので痛みを感知しにくく、排便時に急に出血して焦ります。

産後のいぼ痔は、会陰切開の痛みと勘違いして、治療が遅くなりがちです。パートナーに相談しにくいことも、いぼ痔を進行させる原因の1つです。

産後の細菌感染であな痔(あな痔)

あな痔とは、別名を痔ろう(じろう)と呼びます。あな痔は肛門周辺に細菌が感染することから始まり、悪化すると穴をつくってしまう症状です。

穴と聞くとビックリしてしまいますが、細菌がじわじわ侵入する状態を放置することで、肛門内のくぼみに膿がたまってトンネル状の膿の穴ができて痛くなるのです。

産後トラブルとしては、いぼ痔や切れ痔のほうが多いのですが、もしもあな痔になった場合は医師の処置が必要です。

痔になったかもしれない

おしりを刺激しないこと

もしも痔になったかもしれないと思ったら、無理に強くふいたり、入浴時にボディソープや石鹸でゴシゴシ洗いすぎないように気をつけましょう。

「痔になる=不潔」ではなく、痔になったおしりはとても皮膚が過敏になっていると考えてください。

ドーナツクッションで授乳

産後すぐにも会陰切開の痛みを緩和するためにドーナツクッションが役立ちますが、痔の痛みにも効果的です。

痔になると、授乳や寝かしつけで赤ちゃんを抱いたまま座ることが苦痛になります。

硬い場所に座ると、肛門周辺が刺激されて痛みを感じやすくなります。ドーナツクッションの上に座って、肛門周辺が椅子や床に触れないようにします。

思いきって受診

痔になると患部の場所が恥ずかしくて、病院にいくことをためらってしまいます。しかし、ためらうほど痔の症状は悪化します。

それならば「痔かもしれない」と疑い始めた初期症状のうちに受診することをおすすめします。

特に、妊娠出産ではじめて痔になった場合は、市販薬の前に病院に相談すると安心です。

育児中で忙しく、市販薬から治療を始める場合は、1週間様子をみてください。1週間で改善していない場合は悪化を防ぐためにも病院に相談しましょう。

病院は肛門科で診察してもらいます。女性の医師を希望したり、女性専用の診察時間を選ぶことのできる病院もあります。